イベントレポート2021
2021年度理事会・総会 開催 2021年7月30日
岡山EU協会理事会・総会が7月30日(金)開催された。本来であれば6月に開催予定であったが、コロナ禍の為延期となっていた。理事会では任期満了に伴う役員改選を行った。
続いて開かれた総会では会員約85人が出席(代理出席・委任状を含む)し、理事会で選出した新会長宮長氏、筆頭理事松田正己氏、一部の理事・監事の交代就任を承認した。また、20年度事業報告・収支計画書、21年度事業計画・収支予算を承認した。なお、収支予算では2020年度がコロナ禍で活動できなかったことを踏まえ、既存会員の本年度会費の徴収をない方針とした。
【演奏会】 2021年7月30日
7月30日(金)岡山EU協会では総会終了後に岡山フィルハーモニーック管弦楽団首席コンサートマスターの高畑壮平氏による演奏会を開催した。高畑氏は演奏曲にまつわるヨーロッパ各地のエピソードを交えながら、ピアニストの能登泰輝氏とともに素晴らしい音色を会場に響かせていた。最後に会長を退任する松田正己氏のリクエスト曲、ミュージカル「サウンドオブミュージック」より『
My Favorite Things』の演奏で締めくくった。
ヴァイオリン:高畑 壮平 Sohei Takahata
12歳よりヴァイオリンを始め、故木村義之氏に師事。
岡山朝日高校卒業と同時に東京芸術大学音楽学部ヴァイオリン科入学、同大学院(修士課程)修了。1979年、ドイツ、ヒルデスハイム市立歌劇場コンサートマスターに就任、同時にハノーファー国立音楽大学ヴァイオリン科ソリストクラスで研鑽を重ねる。1982年から2017年9月まで州立南ウエストファーレンフィルハーモニーの第一コンサートマスターを務め、2017年10月より岡山フィル首席コンサートマスターに就任。
ドイツ国内に留まらず、オランダ、ベルギー、フランス、スイス等、ヨーロッパ各地に客演し、高い評価を得る。ウエルナー.ホイトリンク(ハノーファー)、サシュコ.ガブリロフ(ケルン)エリザベート.バルマス(パリ、リヨン)に師事。現在、岡山フィルハーモニック管弦楽団首席コンサートマスター
第26回EU講座 10月29日 「ドイツで長く働いてみて」
岡山EU協会(宮長雅人会長)の第26回EU講座が10月29日(金)、岡山市中区浜の岡山プラザホテルで開かれ、日独産業協会の隅田貫特別顧問が「ドイツで長く働いてみて」と題して講演した。岡山経済同友会(国際委員会)との共催で会員ら約40人が聞いた。
久山裕士事務局長の司会で進行し、宮長会長が「昨年度はコロナ感染拡大の影響で一度も開催できず会員の皆さまには申し訳なく思っている。今年度もなかなか開催機会がなかったが、新規感染者も少なくなり、本日開催の運びとなった。ウィズコロナではあるが、今後も継続して開催していきたい。本日は、ドイツ人との働き方の違いについてご講演いただくが、働くことそのものについても考える機会になるのではないか」と開会あいさつした後、講演に移った。
隅田氏は、東京銀行(現在の三菱UFJ銀行)勤務時代に10年以上にわたりドイツで勤務、その後ドイツの老舗プライベートバンク本社で唯一の日本人として勤務され、通算20年にわたるドイツ勤務経験から得た体験を基に日独の働き方の違いについて講演した。
ドイツは日本より働きがいを感じている人が多く生産性が高いことをデータを示し説明。「ドイツの職場では自律より自立が重要とされる。自分の考えを持っているから同調圧力や忖度がなく、責任と役割が明確になり、力を発揮できる」と述べた。チームワークの考え方にも触れ、「チームでワークすることを重んじるのが日本、チームがワークすることを重んじるのがドイツ」と指摘。「勝つためのチームであり、勝つことで初めて輪ができる。勝つためには各自の役割が明確になる」と話した。
また、ドイツ人は厳格で融通が利かないような印象があるが、ドイツの憲法(基本法)を何度も改正している点を例に挙げ、「目的に応じて柔軟にルール変更をする。多様性も受容している」と話した。「日本人が生産性を高め、晴れ晴れと仕事をするためには“どう在りたいか”を自問自答するべきだ」と強調した。
講演を聞いた岡山経済同友会の梶谷俊介代表幹事は「貴重なお話を伺った。日本人は自分の本質をわかっておらず、自分に自信がないから安売りをしがちである。自立して自分の価値を語れるようになりたいことだ。仕事の本質についても問い直し価値を明確にすべきだ」と閉会の言葉を述べた。
第27回EU講座 2022年3月30日 「2022年の日欧航空事情―パンデミックを超え「こころの翼」で世界をつなぐー
岡山EU協会(宮長雅人会長)の第27回EU講座が3月30日(水)、岡山市北区駅元町のANAクラウンプラザホテル岡山で開かれ、全日本空輸㈱の宮川純一郎取締役執行役員が『2022年の日欧航空事情―パンデミックを超え「こころの翼」で世界をつなぐ―』と題して講演した。会員ら約30人が聞いた。
宮長会長が「年度末のお忙しい中、今年度2回目のEU講座にご参加いただき感謝する。EU講座は、政治、経済、文化、スポーツなどその時々のタイムリーな話題を取り上げ、さまざまなことを学んでいただく場と考えている。コロナ禍で海外になかなか行けない状況下でヨーロッパの現状や航空事情をお聞きする貴重な機会であると思う」と開会あいさつ。
宮川氏は冒頭で「瀬戸内国際芸術祭が開催される今年、3年ぶりの岡山である」「16年ほど前に大橋洋治相談役が全日本空輸㈱の社長時代に、故郷である高梁市で講演するにあたり、同行したことを懐かしく思う」などと話した後、コロナ禍とウクライナ情勢などを踏まえ、欧州の今と航空業界の現状を分かり易く解説した。
まず、ロシアのウクライナ侵攻による航空業界への影響について、「紛争当事国であるロシアの上空を飛行するのは危険性があり、保険も適用されない。緊急着陸した場合、修理や部品調達が困難になるなどのリスクもある」とし、ほとんどの飛行機がロシア上空を飛んでいない現状を世界地図上に示した。現在は、全日本空輸㈱(ANA)は韓国、中国、カザフスタンを経由する南回りルートを飛び、日本航空㈱(JAL)は北極海アラスカを通る北回りルートを飛んでいる。人の移動が制限されている一方、航空貨物輸送の需要は逼迫して
おり価格は高騰状況。5G、巣ごもり需要などを背景に電子部品や半導体関連の輸送が増大している状況を説明し、「ファイザー社製のコロナワクチンの日本向け輸送は全てANAが手掛けている」と述べた。「鮮度の高い」アパレル商品の航空輸送(「ZARAモデル」)も注目されていることを紹介した。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各国が行っていた入国制限などが緩和に向かっていることを示し、今後について「状況が改善されるに従って、観光需要も戻ってくる。ゴールデンウイークのハワイなどを期待している。日本企業の海外出張も増えてきており、視察ツアーなども戻ってくるのではないか」と話した。
最後に今後のANAグループのビジネス展開として、「MaaS(Mobility as a Service)」などへの取り組みを紹介した。