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イベントレポート2011

第5回EU講座

第5回EU講座の様子槇野博史岡山大学病院院長(腎・免疫・内分泌代謝内科学)が2011年4月24日(日)、岡山市内のホテルで、EU会員20人を前に、自著「写真と童話で訪れるインスリンのふるさとデンマーク」に沿って、糖尿病にまつわるユニークな講演を行った。 同院長はこれまでにもリュウマチ、高血圧などの患者向けに病気解説と自らの旅行記、写真を組み合わせた読本の刊行を続けている。この日、日本の糖尿病患者は740万人で徐々に増えていると警告。その上で糖尿病の特効薬インスリンについて「酪農王国デンマークで1920年代、飼育していた豚や牛の膵臓から抽出し製品化した」「同国には現在、世界で使用されているインスリンの約半数を供給するノボノルディスク社がある」「私が医学部を卒業したころはまだ豚インスリンを使っていた。今はバイオテクノロジーを駆使して大量生産できるようになった」「糖尿病の最古の記録は今から3500年前、エジプトで”おしっこがたくさん出る病気”として記録が残っている」などとこぼれ話を紹介。さらに早期発見、早期治療の重要性を分かりやすく解説するとともに「メタボは糖尿病の予備軍、適度な運動と野菜をしっかりとった食事に気をつけて」と注意を呼び掛けた。 また、オランダのライデン大学免疫・腎臓内科の教授に招かれ糖尿病性腎臓に関する講演を行ったのを機に、日蘭交流の観点からまとめた写真特集「オランダ物語」も紹介、参加者から好評だった。

EUフィルムデーズ2011~初のEUフィルムデーズ開催、フィンランド、チェコなどの映画を楽しむ~

EUフィルムデーズ2011in岡山・高松6月18、19の両日、岡山市北区の岡山県立美術館中ホールで初の「EUフィルムデーズ2011 in岡山・高松」を開いた。フィンランド、オランダなど日ごろ観賞の機会が少ない5カ国の映画5本が上映され、映画ファンを魅了した。 EUフィルムデーズは駐日欧州連合(EU)代表部、東京国立近代美術館フィルムセンターなどとの共催で、日本とEUの市民交流の促進を目的とした「日・EUフレンドシップウィーク」の一環として2003年から始まっている。EU諸国の多様な文化を、映画を通じて岡山県民に知ってもらうことは非常に意義あると考え岡山開催を要望していたところ今年2月、東京、京都、広島、山口、香川、そして岡山での開催が決まった。 6月18日(土)の上映作品は、家族とは何かを問うツイステッド・ルーツ(フィンランド 日本語字幕)、中年映画監督を主人公にしたドゥスカ(オランダ 同)、19日(日)は青春映画ドライブ(チェコ 同)、シチリアを舞台にイタリア統一を目前にした一大叙事詩・副王家の一族(イタリア 同)、一途な恋物語・アンナと過ごした4日間(ポーランド 同)の合計5本。入場料は一般600円(前売り500円)、大学生・高校生400円、中学生以下無料、身体障害者および付き添い人1名無料とした。
また、香川県では香川大学EU情報センター(香川大学図書館)が引き受け手となり岡山の1週間後6月25日(土)、26日(日)に開催したので、香川EU協会、香川大学と共催の形をとりお互いにチラシの配布、入場券の販売協力を行った。岡山会場の入場者は1映画35~59人で合計238人だった。  

2011年度理事会・総会開催~新会長に中島氏、越宗氏は名誉会長に~

2011年度理事会・総会開催2011年度の理事会・総会を20日、「岡山市内のホテルで開き、任期満了に伴う役員改選の結果、会長の越宗孝昌氏(岡山経済同友会顧問、山陽新聞社長)の後任に中島基善氏(岡山経済同友会代表幹事、ナカシマホールディングス社長)を選んだ。越宗氏は名誉会長に就任した。 総会には会員約50人が参加。11年度事業として、各界から講師を招いて欧州の経済・文化を学び合う「EU講座」の充実、EUフィルムデーズの第2回開催に向けて準備、ホームページの充実、会報「EULetter」の継続発行、「EUが学校にやってくる」の受け入れ支援一などに取り組むことを決めた。総会後、駐日欧州連合代表部のリチャード・ケルナー(広報部学術協力担当)氏が「ヨーロッパから見た日本、そして岡山」と題して記念講演し、市民レベルで国際交流を進めることがいかに双方の視野を広げるのに重要であるかを説いた。

第6回岡山EU講座~武田岡大名誉教授から大麦・ビールの話聴く

第6回岡山EU講座第6回岡山EU講座が8月20日(土)、倉敷市の倉敷国際ホテルで開かれ、武田和義岡山大学名誉教授から大麦とビールをテーマに「大麦遺伝資源の可能性」と題する講演を聴いた。 会員約20人が参加。中島基善会長はあいさつで「倉紡中興の祖・大原孫三郎は本業以外に農業などにも熱心に取り組まれ倉敷は今、大麦の世界的な研究拠点になっている。東洋のビール王といわれた馬越恭平は井原市出身でもある。岡山は実にビールと関係が深い」などと語った。 普通、ビールはできたてがおいしく時間の経過とともに徐々に劣化するが、武田名誉教授は保有する大麦の種を調べた結果、劣化酵素をもたない泡持ちがよくなる大麦を発見。2008年、カナダで新品種登録しその後、国内の大手ビール会社で実際にこの品種が使われるようになった、と研究成果を披露。「岡山で種を維持しながら品種改良を進め、世界のビールの品質向上に役立つことができれば非常にうれしい」と話した。 大麦は9000年前にチグリス・ユーフラテス川沿いで栽培され始め、日本には3000年前に入ってきた。現在、世界には36万種あり、倉敷の研究センターには1万種の種がある。中には海水でも発芽する極強品種も保持しており、東日本大震災で冠水した仙台の水田で来年、栽培試験が行われるという。講義後、ベルギー、オランダ、スコットランドなど本場ビールを味わい、懇親を深めた。

第7回EU講座~上岡前ジェトロ・ストックホルム事務所長からスウェーデン事情を聴く

第7回EU講座第7回岡山EU講座が12月17日(土)、岡山市北区のオリエント美術館地階講堂で開かれ、前ジェトロ・ストックホルム事務所長の上岡美保子氏が今年7月末までの3年間の滞在体験をもとに「スウェーデンはどんな国? 強い経済と強い社会保障の両立」と題して講演した。会員35人がメモを取りながら熱心に聴いた。  上岡氏はスウェーデンがどのようにして世界から注目される高福祉の国になったか、それを支える財源は何か、女性の社会進出の高さ、日本では一般的に難しいと言われる高福祉と強い経済は本当に両立しているのか、日本にとってスウェーデンの何が今後参考になるのか―などについて丁寧に解説。最後に「スウェーデンは桃源郷ではない。働けるのに働かない人には何の援助も与えられないが、働く意思のある人には徹底的な支援がなされる。スウェーデン・モデルは長い年月をかけ、国民のコンセンサスを得ながら構築してきただけに、ある部分だけをまねしてもうまくいかない。根底にある考えを学ぶ必要がある」と締めくくった。