第14回EU講座が3月13日(金)、岡山市内で開かれ会員約30人が参加、同市天神町の岡山県立美術館の石原亜弓非常勤学芸員から、生誕100周年を迎えたフィンランドの女性画家・作家トーベ・ヤンソンとその代表作である童話ムーミンの魅力について聴いた。20日から同館で展示会が開催されるのにちなんで開いた。
ヤンソンは1914年、首都ヘルシンキ生まれで彫刻家の父、イラストレーターの母のもとで育ち、幼いころから絵を描くのが好きで10代半ばで雑誌に風刺漫画を寄せていた。第2次世界大戦が激化、父と弟2人が出兵するという不安から逃れるように描きかけの童話の執筆を進め、ついにムーミン童話の第1作「小さなトロールと大きな洪水」(45年刊行)ができた。トロールとは北欧の神話に登場する妖精で、ムーミンはカバではない。鼻も最初は細かったが、だんだん丸みを帯び現在のようになったという。70年まで9シリーズを発表し世界中で親しまれている。日本では69年、テレビ漫画で紹介され大ブームになった。「今も多くの人々の心をひきつけてやまないのは、変わり続けるストーリーにある」と石原さんは語った。
岡山EU協会(泉史博会長)の設立5周年記念講演会が1月14日(水)、岡山市内のホテルで開かれ会員ら約70人が出席、作家でシャネル日本法人社長のリシャール・コラス氏の講演「フランス人から見た日本文化のあれこれ」を聴き、その後、懇親会で交流を深めた。冒頭、泉会長はEUと岡山との相互理解や友好促進を図るため県、市、岡山大、地元財界など産・官・学の代表が発起人になり2009年12月、宮城、兵庫、香川、大分などに次ぎ全国13番目のEU協会として設立した経緯を語った後、「会員は法人59、個人36の95法人・個人でスタートしたが現在、111法人・個人となり大きさでは全国2番目」と報告、「今後とも文化、経済面など幅広い分野で岡山県とEU間の交流を図り地域の国際化の促進、活性化に努めたい」と抱負を述べた。
講演に移り、コラス氏は、写真好きだった18歳の時「ニコンのカメラが安く買えるのではないか、と思い初来日。出会った人々の温かさに感動、それから約40年間、日本に住んでいる」と話し「日本文化は実に奥が深く、掘るたびに新しい発見がある」「訪日した外国人がまず感動するのは人の優しさ、丁寧さ。みんなが一緒に生活していくために努力している」と述べ「日本には世界が学ぶべきものがある。日本はそれを失わないためにも、自国の文化を大切にし、これからも守ってほしい」と強調した。
EU協会の2014年全国総会が12月11日(木)、東京都港区南麻布の駐日欧州連合代表部で開かれ、各地のEU協会から本年度の活動状況が報告され、意見交換が行われた。岡山に次ぎ、今年7月に全国14番目の協会として誕生した北海道EU協会も初参加した。
全国のEU協会から会長、事務局長、また、駐日EU代表部からはセーラ・ウテン広報部長、末常美和子同部員ら計約20人が参加して行われた。岡山からは金森満廣事務局長が出席、今年が創設5周年にあたることから、フランス人でシャネル日本法人社長、作家でもあるリシャール・コラス氏を招いて記念講演会、パーティを開く計画などを報告した。
6月24日(火)、岡山市北区の岡山天神山文化プラザホールで3回目の映画祭「EUフィルムデーズ2014 in 岡山」が開催された。ポルトガル、エストニアといった日ごろあまり観賞の機会のない2カ国の映画2本が上映され、多くの映画ファンにご来場いただいた。
EUフィルムデーズは駐日欧州連合(EU)代表部、EU加盟大使館、各地EU協会の主催で2003年に始まった。岡山EU協会は岡山経済同友会を主体に2009年12月、全国13番目の協会として設立され、EU諸国の多様な文化を映画を通じて岡山県民に知ってもらおうと考え2011年、2013年に東京、山口、香川などとともに開催してきた。 岡山での上映は前回までの土日開催とは打って変わってウィークデーの夕方だったが、大勢の方にご来場いただき、岡山でもこのイベントが定着してきたことを実感した。
上映された1本目の作品「バロン」(ポルトガル、エドガル・ベラ監督、2011年)は、原作が1942年に発表されたポルトガルの作家ブランキーニョ・ダ・フォンセカの恐怖小説で、ストーリーは役人が山奥の小学校を監督するために訪れた村は独裁者バロンによって支配されていて、招き入れられた城で役人は奇怪な世界へ否応なしに引きずり込まれていく、というもの。
2本目の「ケルトゥ/愛は盲目」(エストニア、イルマル・ラーグ監督、2013年)は、おとなしく引きこもりがちの主人公ケルトゥは夏至祭の日、突然姿を消すが、見つかったのは女たらしの酒飲み男のところ。なぜ彼女は失踪したのか、真実が徐々に解き明かされていくとき、周辺に大きな衝撃をもたらす、というもの。 入場料は1日券500円(中学生以下無料)で、「バロン」に76人、「ケルトゥ」に82人の観客が楽しんだ。観賞後のアンケート調査に「500円は手ごろだった」「いかにもヨーロッパを感じさせるよいフィルムだった」「企画は大変良い。上映日が短くて残念、もっと増やしてほしい」「珍しい企画なので今後も頑張って続けてほしい」という答えが多く寄せられた。ありがとうございました!
岡山EU協会(会長・泉史博岡山経済同友会顧問)は6月16日(月)、岡山市北区の岡山全日空ホテルで2014年度6月理事会・総会を開き、今年12月に迎える創立5周年の記念事業開催を盛り込んだ本年度事業計画、予算などを決めた。
同日午後2時半、理事会が開かれ、それに続いて開かれた総会には会員86人(委任状含む)が出席、泉会長が冒頭で「欧州中央銀行が先日、民間銀行が中央銀行に預け入れる余剰資金の金利をマイナスにする施策を打ち出した。異例の措置であり、今後の景気動向を注視していきたい」とあいさつした。 議事に入り、13年度事業・同決算報告を原案通り全員の拍手で承認。14年度事業計画として欧州経済・文化の勉強強化のため「岡山EU講座」を充実させる、会報「EU Letter」の継続発行のほか、欧州文化を映画で学ぶEUフィルムデーズを6月24日(火)に開催、さらに、スマートフォンに対応するようホームページの刷新、設立5周年記念事業の開催―などに取り組むこと、これら事業を実施するため総額325万円余の収支予算を原案通り承認した。総会後の記念講演では立教大学経済学部の福島清彦特任教授が「EUの現在と未来-更なる統合で危機を乗り切る」と題して講演。この後、懇親会を開き、楽しいひと時を過ごした。
駐日欧州連合(EU)代表部による「EUがあなたの学校にやってくる」が5月12、13の両日、岡山市北区の県立岡山南高校など県下3校で開かれた。
EU加盟28カ国の大使、外交官は毎年5月に日本全国の学校を訪れ、EUや出身国について説明している。同校にはこの日、ドイツの大阪・神戸総領事館(大阪市)のフローリン・イェガー領事が訪れ、1~3年生の全校生徒1070人を前に通訳を交え講演。「第2次世界大戦の後、2度と戦争をしない思いがEU発足につながった」とEU の歴史、共通通貨ユーロ導入の経緯などについて話し、また「EUのモットーは多様性の中の統一だ」「日本とEUはともに民主主義、法治国家であるなど多くの価値観を共有する」、「EUを知る一番の方法は留学することだ」などと語った。
県内ではこの日、岡山県立井原高校に、13日は県立岡山東商業高校にベルギー大使館のセヴリーヌ・ドゥ・ポッター二等書記官が訪問、同様の授業をした。「EUがあなたの学校にやってくる」は昨年の4校より1校少なかった。