第11回EU講座が4月4日(木)、岡山市中区の岡山国際ホテルで開かれ、岡山EU協会メンバーで総合ビル管理業の㈱研美社代表取締役社長奥山秀敏氏が「DARTSとは」と題して講義、イギリス発祥のダーツの歴史について語り、投げ方なども実演、会員ら約20人がゲームを楽しんだ。
まず、金森満廣事務局長が「ダーツは3本の矢を使う。同じように安倍内閣のアベノミクスも金融緩和、財政出動、成長戦略と3本の矢を使う。さて、どちらが難しいか実感してほしい」と話し、講座に入った。
奥山社長は、ダーツは14、5世紀のイギリスで戦いに疲れた兵士たちが余暇を楽しむため、屋外でワイン樽の底を的にして矢を投げ合う遊びから生まれた。矢の行方を運に任せるのではなく確かな技術がいること、点数配分などのルールが整いだしスポーツとして進化、第1次世界大戦後には急速に愛好者が増え世界に普及した。日本には、第2次世界大戦後、神戸から広まった、などと語った。奥山氏はサッカーやラグビーなどの他の英国生まれのスポーツに比べると認知度は低いが「投げていると無心になれ、ストレス解消に良い」と話した。
2013年度理事会・総会が6月17日(月)、岡山市内のホテルで開かれ、任期満了に伴う役員改選の結果、会長の中島基善氏(岡山経済同友会顧問、ナカシマホールディングス社長)の後任に泉史博氏(岡山経済同友会代表幹事、中国銀行会長)を選んだ。中島氏は筆頭理事に就任した。
まず理事会で任期満了に伴う役員改選を行い、新会長を選任。続いて開かれた総会には会員約80人が参加(委任状を含む)、顧問、理事の交代人事、12年度事業報告・収支計算書を承認した。
この後、13年度事業として各界から講師を招いて欧州の経済・文化を学び合う「EU講座」の充実、欧州映画会「EUフィルムデーズ」の第2回開催に向けて準備、会報「EU Letter」の継続発行、ホームページの充実、「EUが学校にやってくる」の受け入れ支援―などに取り組むことを決めた。
記念講演は「ワーワー騒ぐばかりのイタリア人を『空回り型バカ』と呼ぶなら、日本人は『思考停止型バカ』だ」という意見の持ち主の在日20年のイタリア人建設家で、伊文化団体ダンテ・アリギエーリ協会東京支部会長のファブリツィオ・グラッセッリ氏が「イタリア人と日本人、どっちがバカ?」の演題で講演した。この後、懇親会を開きチェロ、ピアノ演奏をバックに語り合い、楽しいひと時を過ごした。
6月29日(土)、30日(日)の両日、岡山市北区の岡山県立美術館ホールで2年ぶり、2回目の「EUフィルムデーズ 2013 in 岡山・高松」を開いた。ルクセンブルク、ポルトガルなど日ごろあまり観賞の機会のない6カ国の映画7本が上映され、映画ファンを楽しませた。
EUフィルムデーズは駐日欧州連合(EU)代表部、EU加盟大使館、各地EU協会の主催で2003年に始まった。岡山EU協会は岡山経済同友会を主体に2009年12月、全国13番目の協会として設立され、EU諸国の多様な文化を、映画を通じて岡山県民に知ってもらうことは非常に意義あると考え2011年に初めて名乗りを上げた。 今回、一番人気が高かったのは29日、ファドの女王として知られるポルトガルの国民的歌手アマリア・ロドリゲスの一生をつづった「アマリア」で四国・徳島などから駆け付けた主婦をはじめ70数人が、哀愁を帯びたアマリア自身の挿入歌にじっくりと耳を傾けた。
この日は他に刑事ものサスペンス「ミッドナイト・アングル」(ルクセンブルク)、社会主義時代の不条理に鋭いカメラを向けた記録映画作家マチェイ・ドルィガスの新作「他人の手紙」「私の叫びを聞け」(ポーランド)があり、翌30日には若者3人の青春ラブストーリー「マルティナの住む街」(スペイン)、1935年開催の第1回バスケットボール欧州選手権で無名の小国が優勝、世界を驚かせた「ドリーム・チーム1935」(ラトビア)、ソ連支配下で分断された関係を20年ぶりに修復しようとする兄弟のドラマ「死と乙女という名のダンス」(ハンガリー)が上映された。入場料は1日券500円(中学生以下無料)で1映画29~73人、合計255人が観賞した。
第12回EU講座が11月13日(水)、岡山市内のホテルで開かれ、同市在住のチェリスト齊藤栄一さんが「チェロとのひととき」と題してドイツの作曲家の人となり、チェロの魅力などについて弾き語った。会員約30人が参加、チェロの演奏体験をするなど楽しい時間を過ごした。 身近な講師、身近な話題をもとにもっとEUのことを知ろう-と2010年4月から同講座が始まった。今回は同月末に岡山市内でチェロリサイタル「メンデルスゾーンとシューマン ドイツ前期ロマン派の足跡」と題するリサイタルの開催を控えている齊藤さんにそのエキスを語ってもらおうと依頼した。齊藤さんは、バッハ(1685-1750年)は6曲の無伴奏チェロ組曲を作っており、これを超えるようなものはない、メンデルスゾーン(1809-1847年)はあのゲーテがモーツァルト以上の天才と評した。チェロソナタ2曲を作っているなどと語り、その作品を実際に弾いてチェロの歴史やオーケストラでの役割を説明した。
第13回EU講座が2月25日(火)、岡山市内のホテルで開かれ、スペインの現代アート作家マルタ・モンカーダさんが「私とスペインと日本」と題して講演した。会員25人が出席した。日本とスペインは昨年6月から今年7月にかけ、交流400年を記念してさまざまな行事が行われている。仙台藩の伊達正宗が支倉常長ら180人を慶長遣欧使節団として派遣した年に当たるためで、金森満廣事務局長が「この節目の年にモンカーダさんを迎えることができた」と紹介した。モンカーダさんはスペイン・カタルーニャ州バルセロナ市の出身で、母国と倉敷市を行き来し芸術活動を行っている。講演では、地中海に面した同州は瀬戸内海沿岸と気候がよく似ており「岡山と同様にモモが特産でロシア、ポーランド、北欧に輸出している」と話した。また、「カタルーニャはその長い歴史的背景から独自の言語、習慣を持ち、スペインからの分離独立を目指す動きも強い」と話し、スペインの王位継承者を巡って争われたスペイン継承戦争でバルセロナが落城して300年にあたる今年9月へ向けての動きに注目するよう求めた。さらにモンカーダさんは3月9日まで倉敷市児島の野崎家旧宅をメーン会場に仲間6人と「モンカーダ国際芸術祭」を開催しており「今回は竹を使ってオブジェを作った。古い民家が会場であり、日本の伝統文化とコラボレーションすることによって創作意欲は大いに刺激を受ける」と語った。