トップページ > イベント > イベントレポート2017

イベント

イベントレポート2017

2017年度理事会・総会開催 

岡山EU協会は、6月15日(木)、2017年度理事会・総会を岡山市中区の岡山国際ホテルで開き、任期満了に伴う萩原邦章会長(岡山経済同友会顧問、萩原工業会長)の後任に、松田久氏(同同友会代表幹事、両備ホールディングス社長)を選んだ。任期は2年。萩原氏は筆頭理事に就任した。
 まず理事会で、役員改選を行い、新会長を選任。続いて開いた総会では、会員約40人が出席し、一部の副会長、理事の交代を承認した。また、16年度の事業報告と収支計算書を承認。17年度事業計画として、会員あるいは外部識者を講師に招いて欧州の経済・文化を学ぶ「EU講座」を複数回開催▽会報「EU Letter」の継続発行▽ホームページの充実▽会員増強▽EUとの友好促進事業―に取り組むことと、同年度収支予算を決めた。
 記念講演に移り、南山大学前学長のミカエル・カルマノ氏(ドイツ出身)が「日本文化との出会い~一人のドイツ人の経験」と題して講演。懇親会も開き、バイオリン演奏を聴きながら歓談した。

第18回EU講座 「労働者の理想郷クレスピダッタ(イタリア)と倉敷」

 第18回EU講座が5月26日(金)、倉敷市の吉井旅館で開かれた。玉島信用金庫の宅和博彦常勤理事が「労働者の理想郷クレスピダッダと倉敷」と題し、産業革命期に綿織物の製造で栄え、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されているイタリアの企業村・クレスピダッダを紹介し、同じく繊維産業で栄えた倉敷との共通点を解説。会員ら約25人が聞いた。
 クレスピダッダはミラノの北東約35㌔にあり、クリストフォロとシルビオのクレスピ家親子二代が自身の綿織物工場で働く人たちのために整備、統治した。1878年、アッダ川のほとりの所有地を切り開いて工場を建設。動力源として当時としては珍しい水力発電所を設けて品質、生産効率ともに向上させ、欧州全域に顧客を広げた。労働災害防止マニュアルを策定し、菜園付き一戸建て住宅や診療所、学校、劇場を整備するなど福利厚生も充実させた。しかし、世界恐慌のあおりで経営が悪化。ムッソリーニの画策もあって工場を明け渡した。工場は閉鎖されたが、村には現在も当時の工員の子孫が住んでいるという。世界遺産には1995年に登録された。
 宅和氏はこうした歴史を振り返り、倉敷の大原家との共通点に関し、ともに綿紡績で発展し、医療機関を整備したり、労働者の安全確保や救貧事業、絵画収集などを手掛けたりした、と説明。その上で「シルビオも大原孫三郎も企業家による救貧事業や労働環境の改善には限界があると感じ、シルビオは国政に働きかけようとした一方、孫三郎は学術的な研究を行い、問題の根本的解決を図ろうとした」と締めくくった。
 聴講した大原美術館の大原あかね理事長も、「(孫三郎が紡績業に着手した当時)既に倉敷がまちだったことがクレスピダッダとの大きな違い。倉敷はまちがしっかりしていたので、つくったものが今も残り、いろいろな人が関わっている。クレスピダッダは村が完結していたため、存続させるのは難しかった」などと述べた。
 この後、懇親会もあり、ワイン輸入販売・フジトレーディング(倉敷市)の森田富士子代表がセレクトしたポルトガル産ワインと、同旅館の料理人が手掛けたイタリアンに舌鼓を打ち、ロシア出身のダンスインストラクター・ナタリヤさん=岡山市在住=らによるベリーダンスを楽しんだ。